担任の先生は、きちんと教頭・校長に対して、正直に報告してくれました。そして、学校として解決へ動いてくれました。同級生への聞き取り調査を行い、ホームルームでいじめについて話し合う機会を設け、人を傷つける言葉や態度とはどういうものかなどについて、真剣に子供達に考えてもらうきっかけとしたのです。
娘の通う小学校は、1学年1クラスしかありません。普通の学校なら、翌年のクラス替えで問題があった子同士を離すという処置をするのでしょう。しかし、それができません。
転校も考えましたが、マイホームを建てたばかりで引っ越しは現実的に無理でした。教育委員会にいじめを申し出ると学区外であっても転校は許可されるらしいのですが、迷った結果、そこまではしませんでした。
娘に「何かあったらすぐに親に言うこと!」と念を押して、様子を見ることにしました。最初の方はいじめが少し残っていて、何度か学校にお電話することがありましたが、その都度、先生が動いてくれて、それもなくなりました。
私は先生にいじめた子のケアの方が大切なのではないかと伝えました。人を攻撃することでしか自分を肯定できないというのは不幸なことです。
いじめる子の背景には「愛情不足」があると感じました。いじめた子の家庭は、親がとても忙しかったり、厳しかったり、片親家庭であったり、下の子(赤ちゃん)が生まれたばかりなど、いろいろありました。
どんな家庭に育っていても、周りの大人が意識的に関わって、認めてあげたり、褒めてあげたり、愛情をそそいであげることで、良い方向に成長を手助けできると私は思っています。担任の先生は4年生でも持ち上がりましたが、私の話を聞いて、きちんと動いてくれました。
いじめを受けた側の親としては、先生やいじめた子、その保護者に対して、腸が煮えくり返るほど激怒したい気持ちになります。でも感情的になって攻めては、子供のいじめと変わりません。大人として冷静にしっかりと必要なことをお話しをすることが大切です。
今になって振り返ると、それができた自分を褒めてあげたいです。
まずは、担任の先生、それで問題解決にならなかったら、学年主任、学校(教頭・校長)、教育委員会、弁護士の順に動く覚悟でいました。でも担任の先生ときちんと話し合ったことで、学校の範囲内で解決へと導くことができました。
これは私の経験です。もしかしたらもっと深刻ないじめの経験をされている方もいるかもしれません。学校にいかなくてもいいじゃないですか。生きていること、それで十分です。世間体より何より「子供を守ること」を優先して、動くべきだと私は思っています。
ーー 次回、いじめのその後 ”クラスメイトの変化”
親として「いじめと向き合う」④ につづく
(長文になったので4回に分けて投稿しています)