娘が学校でいじめを受けたのは彼女が小学3年生の時でした。
いじめの内容は、娘を「菌」扱いし「汚い、近づくな」と言って避ける。「お風呂に入っていないんじゃないか?臭い」と言う。「うざい」と言う。「無視」する。小学生のいじめの定番です。言葉や態度で心を傷つける内容が中心でした。
最初は、数人の軽いおふざけ程度だったものが徐々にエスカレートし、クラスの半分以上が彼女のいじめに関わっている状態になっていました。
私は最初、いじめに気づきませんでした。というのも、いじめを認識することが発達障害の彼女にとって難しいことだったからです。本人が自覚がないので、親も気づきようがないのです。
それでもサインはありました。
「お母さん、最近ね、学校で私の周りで不思議なことが良く起こるの。朝、教室に行くとね、私の名札だけゴミ箱に入っているの」というのです。
「それっていじめかしら?」と思ったものの、まさか自分の娘にいじめが起こるとは信じがたく、私は「なんでだろうね」で、その時は片付けてしまいました。
彼女の反応もなんだかズレていました。「誰かが名札をゴミ箱に入れたかもしれない」とは考えず、「名札を取るためにゴミ箱に手を入れるのが嫌だ」ということの方に関心が向かっていました。
アスペルガー症候群で人の気持ちがあまりわからない彼女は、人の悪意もわからないということをこの時、理解することができました。
いじめが発覚できたのは一人の心優しいクラスメイトのおかげです。
ある日、風邪を引いて熱が出た娘は学校を休みました。すると、その子が自分のせいで娘が学校を休んだのではないかと、担任の先生に申し出たのです。
その子は割と娘とは仲が良かったのですが、クラスメイトが娘をからかって、ひどい言葉を投げかけている時に、つい自分も一緒になって傷つくような言葉を言ってしまったというのです。そして、今、クラスメイトから娘がどんな扱いを受けているか担任の先生に話してくれました。
いじめの内容を聞いて、娘より私の方が傷ついたかもしれません。娘の方は「自分がされていたことがいじめである」という事実を認識して、はじめて傷ついたというような印象でした。
ーー 次回、担任の先生との話し合い
親として「いじめと向き合う」② につづく
(長文になったので4回に分けて投稿します)